前回香港で迷った挙げ句に買うの断念したモノが、やっぱり今さら欲しくなっちゃって、いつ行こうかとタイミングを伺ってたんですが。
Skyscannerで金曜夜発で日曜夕帰りの便を見ていたら、ピーチ(MM)、香港エクスプレス航空(UO)、香港航空(HX)の3つの候補に遭遇。キャセイパシフィック航空(CX)は深夜便がないんですよね。
香港航空は以前から興味が惹かれるものがあったんです。
FSC(フルサービスキャリア)です。
SkyTrax社の4スターと、まずまずの健闘。
ただ、いかんせんマイラーとしては、どのアライアンスにも属さず、提携航空会社も少ないってのはマイナス要素であり、乗ることないかなって思ってたんです。
でも、スケジュール優先と、割安のビジネスクラスの噂を検証したく、ポチッとしてみました。
香港航空および海南航空とは
1993年に海南島の海口市で設立された海南航空(HU)は、みるみる業績を上げてSkyTrax社の5スターを獲得し、さらには2019年のTop100では第7位と中国本土の航空会社としてはトップであり、JALよりも上です(JALは11位)。
海南島は中国のハワイと言われ、マリオットグループのEDITIONもあるし(間もなく東京にも2軒オープンします)、ちょっと行ってみたいところなんですよね。
言うほどなにもないよ、と中国人には言われたけど。
このHU、先日発表された新ユニフォームがめちゃくちゃかっこいい。
▲なんていうか、従来の中国系とは一線を画してますよね。
さて、香港には以前に中富航空というのがあったらしいのですが、2006年にそれをHUが買収し、香港航空(HX)として再出発しました。
機体デザインも海南航空と一緒になり、みるみると路線を広げて今やSkyTrax社の4スターです。
でも、ユニフォームも統一したら良かったのにって思う。
今のところ、HXとしては日本国内には7路線を持っているとのこと。地方から香港への便が確保されています。
なんせ、LCCのお値段でSFCのサービスが受けられるとのもっぱらの評判なのです。
▲HISのページから拝借。なにげにスタッガードです。カーペットもキレイですね。
実際、今回予約するのに、HXとCXのビジネスクラスの値段を比較してみましたが、HXが8万円前後だったのに対し、CXは16万円前後でした(8月の週末で)。
およそ2倍の差があるんですね。
HUは親会社として海航集団を設立し、他業種に手を拡げています。
ヒルトンホテルも25%持っています。
中国国内の中小航空会社も買収し、同グループに引き入れています。
実は、復路10円キャンペーンでお馴染みの香港エクスプレス(UO)も海航集団の一員です。
ですが、最近海航集団は業績が急降下しているらしく、また去年会長がフランスで事故死したりと、暗いニュースばかりです。
先日の発表で、UOはCXに身売りされることが決まりました。今年いっぱいで海航集団から離脱です。
ちなみに、ラディソンホテルも持ってましたが、これも身売りされました。
これからもどんどん資産売却をすすめていくそうです。
HXも日本路線の一部から撤退する可能性があると報じられています。
まぁ大阪や東京はきっと問題ないとは思うんですが。
金鵬倶楽部 / Forutune Wings Club (FWC)
香港航空、海南航空、およびそのグループ会社共通のマイレージサービスです。
とは言え、マイルとは言わずにポイントと呼び、しかもキロメートル計算です。
このFWCポイント、2年間のうちに加算があれば、その都度期限延長になるので、2年間に1度でも搭乗すれば半永久的に貯めていくことができます。
米系と一緒ですね。
もちろん搭乗距離によって会員ステータスは変わりますが、特に他社と変わりないのでここでは割愛します(それほど乗る機会はないと思うので)。
▲パートナーエアラインはこの4つだけのようです。
ゆっくり増えてはいるみたいですが。
相互かと思ったら、このパートナーエアラインに乗ればFWCポイントが貯まるようです。
逆は、例えばエティハド航空は、海南航空に乗れば、エティハドのマイルが貯まるようです。
香港航空に乗った時は、ヴァージンオーストラリア航空(VA)のみにマイル加算できるようです。
▲ここに載ってるのは、VAに乗った時のFWCポイント。ビジネスクラスが200%付くのってすごいですよね。しかもキロメートルなのでマイルよりも多い。
ヴァージン・オーストラリア航空とは
ご存知イギリスのヴァージングループが設立したLCC、ヴァージンブルーを起源とします。
2002年にアンセットオーストラリア航空が倒産してから(いい航空会社だったのになぁ〜。スタアラだったし)、一気にカンタス航空に次ぐ航空会社に躍り出た感じです。
2011年に、ヴァージン・オーストラリア航空と改名してFSCへと業種転換をしています。
現在の大株主は、シンガポール航空(SQ)、エティハド航空(EY)、南山集団(青島航空を所有)、海航集団、となっています。
なるほどね。
Velocity Frequent Flyer
VAのマイレージサービスです。
どうやらオセアニア地域のあたりの居住者しか入会できないようなのですが、偽の住所で一応は登録できました。
これで今後きちんとマイルが付くのかどうかは、自己責任です。
このVelocityのマイルも有効期限が2年間なのですが、マイル加算があるとそこから2年間になります。
Velocity自体としては、いくつかのパートナーエアラインの特典航空券を発券できます。
▲デルタ航空やシンガポール航空グループのほかに、海南航空や香港航空も発券できます。
さらに、このVelocityが特殊でして、シンガポール航空(SQ)のクリスフライヤーに相互変換ができるのです。
▲SQのクリスフライヤーのページにこちらが載っています(Velocityは日本居住者は入会できないって書いてますね)。
最低5000マイルからってのも、少々難度高いのですが。
が、この情報、古いんです。
▲英語版を見てみると、2019年1月1日から、1.35:1だったのが、1.55:1に改悪されています。
双方向に、どちらからでも、マイル返還すると1/1.55(≒0.65倍)に目減りするということです。
ただ、Velocityの有効期限が実質ないと考えると、ずっとVelocityで貯め込んでおいて、クリスフライヤーに交換するのは必要時だけでいいとも考えられます。
おわかりいただけましたでしょうか。
つまり、香港航空に乗ると、シンガポール航空のクリスフライヤーにマイルを付けることができるということです。
あまり効率はよくないですけどね。
もらえるものはもらっておこうってくらいです。
各プログラムのマイルの価値
大阪から香港を何往復したら、それぞれ無料航空券に引き換えられるのか、検証してみます。
それによって、どれで貯めたらいいかが、わかるかな?
▲Velocityのページで検索すると、こうらしいです。
香港航空のFWCポイントを貯めた場合
▲HXのページから。
今回はJクラスで発券したので、130%加算になります。しかもキロメートルです。
2476km×2×1.3 = 6437.6ポイント
▲往復ポイントは単純に2倍じゃないんですね。
これによると、大阪と香港のビジネスクラス往復では、58000ポイントが必要です。
58000÷6437.6 = 9.0
9往復したらタダで香港往復できる計算です。
ヴァージン・オーストラリア航空のVelocityで貯めた場合
▲Jクラスはやはり1.3倍です。こっちはマイルです。
1548マイル×2×1.3 = 4024.8ポイント
▲香港航空を使った場合の、こちらは片道のみの記載です。
1500マイルZone3ですね。で、ビジネスクラスだと38000ポイント必要です。
38000×2÷4024.8 = 18.9
約19回往復しないとダメですね。
シンガポール航空のクリスフライヤーで貯めた場合
Velocityポイントをクリスフライヤーに交換すると、
4024.8÷1.55 = 2596.6マイル
▲参考程度ですが、SQのスターアライアンス特典航空券チャートです。往復です。
香港はNorth Asia1、日本はNorth Asia2です。
ビジネスクラスは薄い黄色部分なので、52000マイル必要です。
52000÷2596.6 = 20.0
おっと、20往復いることになりますね。
(参考までに)ANAの場合
ANAで飛んでANAの特典航空券を発券する場合もちょっと計算してみました。
SFCのゴールドカードで、平SFCの前提です。
ビジネスクラスの125%で飛ぶと(最近のは70%のビジネスクラスもあるから要注意)、往復5418マイル獲得できます。
必要マイル数はレギュラーシーズンで40000です。
40000÷5418 = 7.4
ちなみに、70%しかつかないP運賃で飛ぶと、往復3032マイルなので、
40000÷3032 = 13.2
結論
こうしてみると、香港航空に9回乗れば、1回タダで乗れるというのは、案外魅力的かもしれません。
しかもポイントも継続して乗っていれば半永久的に貯められるので、このまま改悪や倒産がなければ、FWCで貯めておくのもいい選択ですね。
ただ、今回の僕のように、たまたまスケジュール的にとネタ的に乗るだけなら、やはりSQのクリスフライヤーに(なけなしでも)付けておく方がいいのかなって気がします。
ただこれも最低が5000マイルからなので、1回の香港往復では到達できないんですけどね。
しかし改めて、ANAは安いなぁって気づきますよね。
どうせ枠はないんでしょうけど。
ん?HXは枠はあるのかな??